内見と外見(疑似日記part6)

疑似日記 (byササキ)

転職が決まりました。いま住んでいる都内からは割と離れているので引越しが必要です。

今日だけで7ヵ所ほど物件をめぐりました。男一人なのでどこでもいいと思いつつ,いざ行ってみると細かい一長一短が目に付くものです。いろいろ生活をイメージしながら検討しますが,内見で把握できるのは位置や間取りといった外見の情報だけ。お隣さんがどうとか,夜の物音がどうかなんていうのは,住んでみなければわかりません。

そういえば,内見と外見という言葉は対になる言葉だということに気づきました。内見は「内側を見る行為」,外見は「外から見た様子」みたいな意味です。見る側と見られる側という位置関係まで対になっているのはなかなか興味深いところではあります。

物件探しにおける私の感想は「内見した結果,外見だけが見えた」というものでした。そして,この構図は人と人のコミュニケーションにも似ています。なぜそう思ったかというと,前日に採用面接を受けていたからです。企業の側からしたら,面接で私という人材を内見しようとしても,結局は外見しか把握できません。実際に何を考えているかなんて,分かりっこないのですから。

つくづく物件や採用は,決断の規模に対して事前に考慮できる情報が少ないなと感じます。ぱっと見の外見以上の情報を得るには,実際に試してみるしかありません。採用の場合には試用期間やインターン制度がそれにあたるでしょうが,物件にお試しはありません。大切な買い物の割に,やりかたはギャンブルです。

‥などと要らぬことを考えつつ,物件はさっさと決めてしまいました。賭けの損得は未来の私が引き受けます。今の私には関係ない話ですが,賭けはいつだって勝ちたいものです。採用してくれた企業にしても,それは同じでしょう。賭けたり賭けられたり,忙しい我が身です。

※疑似日記とは?
https://psychseeing.org/gn1-gijinikkinitsuite/

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