ありのままは何処に?(疑似日記part2)

疑似日記 (byササキ)

私は普通の眼鏡とブルーライトカット眼鏡を持っているのですが,それぞれ視界の色が違います。ふと,どっちの方が正しいんだろうと疑問が浮かびました。正しいというか,風景のありのままの状態に近いと言うべきでしょうか。面倒くさいですが,浮かんだものは仕方ないので,少し考えてみようと思います。

まず,私がものを見るとき,下記のうちいずれかの状態にあります。

  1. 裸眼
  2. 眼鏡装着
  3. コンタクト装着
  4. ブルーライトカット眼鏡装着

裸眼は一番性能が悪いです。昔は何を見てもはっきりとしていたのですが,最近はすれちがう人の顔の判別も怪しいです。

眼鏡はなんか鼻の上にあって邪魔ですが,裸眼より相当はっきりと見せてくれます。そのおかげで,夜道も安心です。

コンタクトは,眼球の上に直接貼り付けるという狂気が必要ですが,眼鏡と同じくらい視界がクリアになります。

ブルーライトカット眼鏡は,PCを使った作業が楽になる眼鏡です。基本的に眼鏡と性能は一緒ですが,視界が全体的に茶色くなります。

さて,どの状態のとき私は「ありのまま」に最も近い状態でものを見ているのでしょうか。

何の器具の編集も受けていないという点で裸眼が最も「ありのまま」な感じがします。ただ,あらゆるものがぼやけているこの風景は果たしてそれにふさわしいのでしょうか。堅いイスも裸眼で見ると,少し空間に溶けて見えます。このギャップは無視できません。

その点,眼鏡やコンタクトが見せる景色は実際の状態に近いように思えます。しかし,目に入ってくる光を曲げて像を結ぶという操作は,「ありのまま」とは相容れない機能です。また,解像度があがることで裸眼では見えなかったものが見えるわけですが,それはもはや質的に別の風景を見ていると考えた方がいいでしょう。つまり,裸眼より「ありのまま」だとは言えないわけです。

眼鏡はさらにおかしい特性があります。顔を動かさず眼球だけ上や下に向けると,途端にぼんやりした世界が発生します。解像度が異なるが,位置的には連続した風景。これらの両立をどう考えればいいかはちゃんと考えると難しそうです。

最後に,ブルーライトカット眼鏡ですが,これは世界を着色してきます。まさに色眼鏡です。これだけで既に「ありのまま」とは程遠い感じがします。しかし,では無着色の状態が「ありのまま」だという根拠はなにかというと,すぐには思いつきません。裸眼をデフォルトとして考える習慣があるからそう思うだけです。

さて,一通り見てみましたが,どの状態も,私が理想とする「ありのまま」とはなにかずれていると感じます。しかしよく考えてみると,これ以外の状態でものを見たことがない以上,「ありのまま」がどういうものかも見たことがありません。だから解決策も思いつきません。では,そもそも何故見たこともない理想状態と比べているのでしょうか?何故そんなことができているのでしょうか?

しばらく粘ってみましたが,丁度いいアイデアは浮かびませんでした。悔しいのでまた今度考えてみます。死ぬまでには何かそれっぽいのが浮かぶと良いです。

 

※疑似日記とは?
https://psychseeing.org/gn1-gijinikkinitsuite/

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