卵とエヴァと絶望(疑似日記part17)

疑似日記 (byササキ)

大抵のミスは,フォロー次第でどうにかなります。どうしようもないと思っても,冷静に考えればなんらかの解決策は見えてくるものです。

でも,卵を床に落として割ったときは,どうにもなりません。それを食べるという選択肢はきついですし,洗って食べるというのも非現実的です。ふき取って処分するしかありません。リカバリー可能性ゼロという現実に,淡くも確かな絶望が生じます。

つまり,卵の調理にはいつだって失敗による絶望の可能性が付随しているのです。たとえそれが100回に一回だとしても,そこには取り返しのつかない未来があります。

なぜ卵の話をしているかというと,毎回エヴァンゲリオンを観て感じるそわそわした感覚に似ているからです。強力な使徒との戦闘では,常に持っている資源を総動員したギリギリの戦いが展開されます。技術者が無茶だと言っても強行し,結果的になんとか勝利を収めるというのがほとんどです。エヴァの場合,失敗は人類の全滅を意味します。この不可逆なリスクによる絶望と隣合わせな感覚が,卵を割るときと似ているのです。

実は今朝,卵かけご飯を作ろうとして,卵を床に落としました。冷蔵庫にそれ以上ストックがなかったので,ただのご飯になります。床面に落ちた卵黄と卵白をキッチンペーパーで拭っているとき,誇張ではなくちょっと泣きそうになりました。私がエヴァのパイロットだったら,とうの昔にシリーズは終わっていたでしょう。まあ,碇シンジもサード・インパクトを起こしてしまったという点では,私と似たり寄ったりですが…。

ともかく私がパイロットじゃないおかげで,『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観ることができました。最後まではらはらさせられっぱなしでしたが,3時間弱という尺を感じさせない面白さでした。

色々考えるところはあるのですが,ネタバレはよくないので,感想は一言だけ書いておきます。

とにかく青色が美しい映画でした。

以上です。

 

※疑似日記とは?
https://psychseeing.org/gn1-gijinikkinitsuite/

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