猫を探すチラシが電柱に貼ってありました。
飼い主の自信作であろう写真3枚と,連絡先が記してあります。一番大きい写真は,顔を正面から撮ったものでした。毛色は茶と白で,そんなにアブノーマルなところはありません。
通報がくる可能性などあるのでしょうか?
通報者がいたとすると少なくとも以下の条件を満たした人です。
- チラシの写真を覚えている。
- 似た柄の異なる猫と弁別できる。
- 電話やメールといった行動に移れるほど,自分の判断に自信がある。
1.は物覚えがいい人なら大丈夫かもしれません。とりあえずスルーします。
2.は果たしてどうでしょう。同じ人間でも,馴染みのない外国の人々の顔の判別は容易ではありません。人間でも難しいのに,猫なんて絶対無理だろうと思います。
しかし,軽く検索してみたところ,猫の飼い主たちは「自信を持って判別できる」と断言しています。ネット上の情報だし,若干マウントの取り合いのような雰囲気もあります。ですがとりあえず,自分の飼い猫とそれ以外を見分けることができる人がいると考えていいでしょう。
自分の飼い猫以外の2匹を見分けられるのかは謎ですが,そういう猛者も世の中にはいるのかもしれません。つまり,3.をクリアしている人です。でなければ,猫探しのチラシなんてとうの昔になくなっているでしょうから。
いずれにせよ,私にはハードルが高いです。そういえば,似たような経験が中学生の頃にもありました。同じクラスの女子の判別がつかなかったのです。
厳密にいうと,それぞれの名前と顔が一致しないので,全員「同じクラスの女子」というカテゴリーで一緒くたになっていました。失礼な話です。解消するのに1年くらいかかった気がします。
理由は簡単で,女子と目が合わせられなかったからです。思春期特有の恥じらいですが,ちょっと度が過ぎていました。結果,顔を見るのが難しいので当然覚えられません。名前との照合など論外です。
花のない高校時代(男子校)を経て,大学に上がった頃には,問題なく顔が見れるようになっていました。人見知りはありましたが,常識の範囲内です。まったく何だったんでしょう。
ふと,私は猫に対して思春期を発動しているのかもしれないという刺激的なアイデアが浮かんできました。だから,顔をちゃんと見ることができず,判別もできないのではないでしょうか。
しかし,これはさすがに実感とずれています。妥協して,猫耳の女の子という可能性を考えてみます。とくにそういう趣向はありませんが,気づいていないだけかもしれません。確かめるため,「猫耳 女子」で画像検索して眺めてみました。
改めて見ると,結構色々なレパートリーがあるものです。そう悪いものではないなと思いつつスクロールしていると,「耳が4つあるということは,めっちゃよく聞こえるのでは」という無粋な感想が浮かんできたので,そっとタブを閉じました。
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