管理人紹介
No.1 ササキ
大学・大学院では社会心理学(対人葛藤・協力の文化間差異など)を専攻していました。
院は諸事情で中退しちゃっていますが。
現在は広報関連の仕事をしたり,本や論文を読んだりしています。
あと,最近全く2000円札を目にしなくなったことについて悲しんでいます。
好きな歌手はPerfume,漫画はHellsing。
嫌いな曜日は火曜日,食べ物はあんこが入っているもの全般。
No.2 など
大学では哲学・史学関連を,大学院では認知/言語心理学を専攻していました。今はメディア関連の仕事をしつつ,言葉や思考について考えながら暮らしています。
言葉で構成されたものは何でも好む一方,自然で作られたものを見るのも好きなので,体が足りない人生を送っています。
好きな国(時代)は19世紀イギリス,苦手な鳥はペリカン。
短所は議論が始まると気が済むまで終わらせないところです。
このブログについて
「心理学の研究によると,人は○○を好むことが示されている。だから××しよう」みたいな文章をよく目にします。
これらに接したとき,管理人2人が思うことは「え,マジで?」です。なぜかというと,心理学の研究の多くは,意思決定に使えるほど強い主張をする力をもっていないからです。
心理学(特に実験心理学)は,科学的な方法で人の心理や行動の在り方やメカニズムを探ろうとする学問分野です。統制された実験や比較を行い,統計的な分析によって何かを主張しようとします。そういう意味では,物理学と変わりません。
ただし,物理学と大きく異なるのは,必ずしもその主張通りの結果にはならないということです。厳密にいえば,その不確実さが極端に大きいのです。物理学が「リンゴは地面に落ちる」と言ったら,あなたの持っているリンゴも地面に落ちるでしょう。しかし,心理学が「人は○○が好き」と言っても,あなたがそうだとは限りません。「いいや,××の方が好きだ」ということも全然ありうるわけです。
そうなってしまう理由は色々とあるのですが,とにかく心理学はなかなか強い主張をするのが難しい分野です。「心理学的に証明されている」という表現もときどき耳にしますが,そんな強い言葉は滅多に使うべきものではありません。それくらい,科学としては頼りない分野なのです。
心理学について悪口を書いてしまいましたが,それでも我々は心理学が好きです。「人が人を試し,測り,理解しようとする」という心理学の営為を心底面白いと思っています。だからこそ,その研究内容が歪められ,過大評価されているのを見るとそわそわして仕方ないのです。
こういった状況の原因の一つは,心理学がなにをやっているのかについて,専門外の方からはブラックボックスになっていることではないかと思います。「人は○○が好きと示された」という結論だけしか知らないと,それがどれくらい強い主張なのかわかりません。書いてあるんだからそうなんだろう,と考える他にないわけです。しかし,「学生100人に~~という質問をして,○○が好きという人が60人いた。△△のやり方で統計分析をした結果,人は○○好きという傾向があるといっても良いと判断した」というところまで知っていれば,「学生以外だとそうじゃないかもしれないな」「100人しか測ってないの?」とか,色々考えることができるはずです。
毎回ここまで考えるのは嫌だ,という方もいるでしょう。確かに面倒くさいです。ですが,それはそれで構いません。すべての心理学的研究にはこういったバックグラウンドがあるということを理解しておくだけでも,知らないうちに過大評価をしているという事態はいくらか防げるのではと思います。
以上のような理由から,当ブログの目指すところはこちらになります。
偉そうですね。でも,別に啓蒙主義者というわけではないので,我々自身の目標もちゃんとあります。月並みな内容ですが,実はこっちがメインだったりします。
さて,ここまで読んで下さった方は「ずいぶん堅苦しいな」と感じたかもしれません。
当ブログとしては,心理学研究に対して我々が感じている面白さを,読んだ方にも是非感じてほしいと考えています。そのために,研究内容については内容を歪めない範囲で,極力かみ砕いて説明するつもりです。さらに,それらをどう捉えるのか,我々なりの解釈や考察なんかも載せます。共感した点,違うと思う点など,コメントして頂けると,我々としては非常に嬉しい限りです。
あと,心理学とは関係なく,我々の雑記的な記事などのコンテンツもアップしていきます。「人が人を理解しようとする」心理学を眺める我々管理人2人も,その「人」そのものであるという点を,忘れたくないからです。
なお,これらに関しては,あまり肩肘張らずに楽しんで頂けるものになればいいなと思っています。管理人2人は,もともと演劇サークルのメンバーとして知り合いました。人を楽しませることは,そんなに嫌いではないのです。